リーマンショックとは2008年9月15日にリーマンブラザーズ(投資銀行)が経営破綻したことにより生じた世界的な金融危機のことです。2008年にその影響を受けたがあまり詳しい実態は知らないという人も多いのではないでしょうか。
実はリーマンショックはサブプライムローン問題という形でその片鱗を見せていました。今回はリーマンショックやサブプライム問題について詳しく解説していきます!
そもそもなぜリーマンショックについて学ぶのか
そもそもリーマンショックについてなぜ学ぶべきなのでしょうか。
リーマンショックについて学ぶのは、投資判断を0.1%でも勝ちに近づけるためだと私は思っています。
リーマンショックで学んだことがいつ役立つかわかりません。そして学んだことが逆効果になる可能性だってあります。
ですが現状勝てていないのであれば、少しでも変化しなければ前には進んでいきません。
そういう心意気で学んでいると投資で勝つ可能性は確実に高まるでしょう。
リーマンショックの引き金となったサブプライムローン問題とは
さて本題に戻りましょう。まずはリーマンショックの引き金となったサブプライムローン問題について解説します。
サブプライムローン問題とは、ざっくり言うとブラックリストに載った人物に住宅ローンを組ませてあげたことにより発生した問題のことです。
普通の感覚だと異常なことだとわかりますよね?
もう少し詳しく言うと資産の少ない人や信用力の低い人に、住宅を担保にして「高金利」を取ることによって住宅ローンを組ませてあげてしまったことにより発生した問題のことです。
ここで高金利ということが問題を大きくした原因でした。ただでさえ返済能力の低い人々に高金利の借金を可能にさせてしまいました。
そして問題をさらに複雑にしたのが、「当初の2〜3年間は低い固定金利が適用されたこと」です。
つまり最初は返せるような雰囲気を出しながらも、その後金利を大幅に上昇させたのです。
この特殊な金利により、リーマンショックという爆弾のための火薬はせっせと用意されてしまいました。
リーマンショックとは
サブプライムローン問題により上がりに上がったリスクは、リーマンショックという形で爆発します。
リーマンショックは先ほども言ったように、リーマンブラザーズという投資銀行が経営破綻したことにより生じた世界的な金融危機のことです。
2008年9月15日には日経平均株価は11000円を超えていましたが、2008年10月末や2009年3月には7000台前半まで落ち込みました。
ここからもリーマンショックが非常に大きな金融危機だったことがわかります。
リーマンショックまでの流れは理解できましたが、なぜリーマンブラザーズは破綻してしまったのでしょうか。ここからはその詳細について書いていきます。
なぜリーマンブラザーズは破綻したのか?
リーマンブラザーズはサブプライムローンを組ませてあげた側、つまりお金を貸してあげた側です。
住宅を担保としたサブプライムローンでしたが、住宅が返って来たとしてもその価格が大幅に下がってしまったら損失を被るのは火を見るよりも明らかです。
リーマンブラザーズはこのハイリスクなサブプライムローンを引き受けることによって投資銀行最大手となりましたが、そのハイリスクを直に受けて倒産することになりました。
要約すると、リーマンブラザーズはサブプライムローンという形でアメリカの住宅に投資を行っていたのです。
アメリカの住宅は2001年~2006年にかけて大幅に上昇していました。これによりリーマンブラザーズは大幅な利益を上げていましたが、住宅バブルの崩壊とともに崩壊したのです。
つまり住宅に投資してバブルとともに大幅な含み益を得ることができたけれど、その崩壊時に利確も同値撤退もできずに大きな損失を被ってロスカット(倒産)してしまったということです。
こう考えると仮想通貨を買ってガチホしてしまった出川組と全く変わらないのではないでしょうか。リーマンブラザーズはハイリスクハイリターンというギャンブルのような投資を行ってしまっていたのです。
リーマンショックで儲けることができた人物がいる!?
リーマンブラザーズのように負けた者がいれば、勝った者もいます。CDSという保証料というものを払い続けることによって、ある債権が債務不履行(つまり住宅ローンを買った人物の払う金利が期待できない)になったとき、大幅な利益を得れるものです。
よくあるがん保険などと同じです。日頃から保険料を払うことによって実際にがんになったときに手厚い保証を受けられることとなんら変わりません。
住宅ローンの債権は証券化されており、その証券は「AAA」という最高の評価を受けていました。
そういう訳で住宅ローンの債権のCDSは本来存在しませんでした。それほど住宅ローンは安心な債権だと思われていたのです。しかしここで住宅ローンの債権のCDSを作った人がいたのです。それがマイケル・バーリです。
はっきり言って「AAA」の債権が下がることを期待するCDSは、最悪の評価を受けるものだと言っても過言ではないでしょう。それをわざわざ作って投資したということは天才と言っていいでしょう。
多くの批判と嘲笑の中で、彼は素晴らしい空売りを決めたのです。
この空売りについてまとめた映画があります。それが「マネーショート」という映画です。今回説明しきれなかった住宅債権の証券化についても説明してあるので(ここにもリーマンショックの大きな問題がある)、ぜひご覧ください。
投資家としてリーマンショックの経験をどう活かせるか
リーマンショックと聞くと何だか難しそうですが、結局は不動産投資で不動産を高値掴みしてしまったことと何ら変わりはありません。要するにサブプライムローンに内在するハイリスクを見誤ったのです。
リスクとリターンを捉えることは投資家の基本ですが、アメリカの最大の投資銀行ですらその基本をにないがしろいしてしまったのです。
私たちは常に投資対象のリスクとリワードを意識するべきでしょう。意識しすぎなほど意識しても何ら問題ではありません。
まとめ
今回はかなり難しかったのではないでしょうか。先ほど紹介した「マネーショート」も参考にしていただけると、リーマンショックの内実について分かっていただけると思います。
それにしてもマイケル・バーリは天才ですね。こんな投資家にいつかはなりたいものです。
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